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「1%の可能性も信じる」とか言いながらいつでもどこでもハッハーンな人の日常日記(意味不明
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――――――――――――ごめん


拒否の言葉が俺の耳には届いた。
悪魔が届けた不幸の何かだろうか。
可能性なんて毎秒変化するもの。
100%が行動次第で0%になる事だってある。

俺にどのくらいの可能性があったのかは、わからない。
それはハルヒのみ知ることができる。

「そうだよな。 すまん、いきなり変な話にしてしまって」
「一つ聞くけどさ、今のって告白よねぇ?」
敗者に追い討ちをかけるのか如く、ニヤニヤするハルヒは俺を人差し指で突つく。
結構精神ダメージでかいぜ・・・?
「もう何とでも言えよ」
「何? あたしを諦めるの?」
「まぁな。 今断られたばかりだしな」
「キョン、チャンスってのはね、誰にでもあるし、いつ手にはいるかわからないもの
よ?」
「そのチャンスは今失いましたが?」
多少投げやりになった俺。
「バカね、あんたは、たった一回で諦めるような器?」
「さぁな」
「あたしが好き? 大切? 守りたい?」
振った相手をいたぶる趣味があるのかコイツは。
「好きじゃない、大切じゃない、守りたくないな」
もちろん嘘に決まってる。
諦めれるはずが無かった。
「そっ、あたしは嘘が嫌いよ」
「もうどうでもいいさ」
完全に俺の脳は思考を鈍らせたらしい。
「ねぇ・・・ キョン。 最後に聞くわ」
「なんだ」
俺がハルヒのいる方に振り返った。
互いに見つめあう状態になってしまった。
視線を外せるわけがない空気。
「あたしの事、諦められない?」


決定打。
ハルヒは俺に最後の架け橋をくれた。
どうアガイテも渡る勇気が無かったボロ橋を。
ハルヒは後ろから強制的に進ませた。




「諦められない」






「そっか」

















「で、なんだ?」
『そっか』の後、ずっと笑顔のままハルヒは黙りこんだ。

「『ごめん』の後の続き教えてあげるわ」
「続き?」
続きって・・・
まさか、こいつはまだ俺をいたぶり足りないのか?
もう耳塞いでやろうかな。
これで『あんたの事なんてこれっぽっちも考えてないわ。もしかしてあたしがあんたに気
があるとでも思った?バカじゃないの?あんたは雑用、あたしは団長。悪いけど付き合う
には格が違いすぎるわ。あたしはあんたが“嫌い“だし』
ここまで言われたらショックがデカすぎて自決するかもな。
まぁハルヒの事だから俺を最後の最後までいたぶり続けるだろうがな。




ゆっくり開いたハルヒの口からは

「ごめん。 この状況で告白するバカの話なんて聞く気は無いわ。 だからもし皆の所に戻
れたら、皆の前で大声でこう言いなさい、『俺はハルヒが大好きだ』って。 そうした
ら、あたしも、あたしの気持を全部伝えてあげるわよ」


架け橋は永遠に延び続け、崩れる可能性が低かった。

俺。 キョンという存在。
ハルヒを愛し続ける事ができるか?


答えを今出す必要は無い。
タイムリミットまで、まだまだ沢山の時間があるのだから。

「さっ、この話は終わり。 お腹減ったでしょ? 飛びっきりのご飯作ってあげるわ」

ハルヒは鼻唄を奏でながらキッチンに向かった。
満面の笑みで、妙なステップを踏みながら。










思い返せば。
今俺は、ハルヒに告白してしまった・・・?
ハッキリと、面と向かって。

ハルヒは受け止めてくれたのか・・・?
確にこんな状況で告白するほど余裕は無い。
しかしムードは、あったよな・・・
今思えば恥ずかしすぎる。
俺にとって人生初の告白だ

しかも相手はあの凉宮ハルヒ。
初めて出会った時と比べれば、俺もハルヒも大分変わった。
俺は今のハルヒが好きなんだ。


「キョン、ちょっと手伝って!」
「あぁ」
俺は大切な人の声を辿り、キッチンに向かった。








「なぁハルヒ? やっぱり無理だ」
「何よ、あんたから行ったんでしょ?」
「いや、そりゃそうだが・・・ やっぱりハルヒの方が上手いだろ?」
「いいからやりなさい!」

俺の右手に握らされた刃物。
綺麗に研かれており、新品同様な感じだ。
「じゃぁそれの皮剥いて。 全部よ全部」
目の前のまな板にゴロゴロと転がるジャガイモ。
俺に切られるために遠いところからご苦労様。
出来る限り最善を尽して調理しますので、どうか俺に才能をください。
「じゃがいも神?」
隣でハルヒがボソッと呟いた。
振り向いて見ると、ハルヒは溜息をついて呆れ顔だった。

隣にいるハルヒは炒めものを作っているようだ。
フラっぺだっけか? フライパンからボゥッ!と火が吹き出すやつだ。
「ハルヒ、皮剥くのにまな板って使うのか?」
俺の想像では普通に皮は切り落としてダストボックスへ、って感じなのが。

ハルヒはピクリと止まった。

「今なんて・・・?」
「いや、まな板・・・」
フラっぺの火が少しずつおさまっていた。
ハルヒは自分の体を見下ろしていた。

「やっぱりあたしはキョンに合わないって事よね・・・」
「はぁ!?」
また意味不明な事を・・・
ハルヒは何故か目がうるんでいる。
「だってまな板だと思ってるんでしょ・・・? 結構自信あったんだけど・・・」
なるほど、ハルヒ流では皮剥きにまな板は必須なんだな。
ならばハルヒの言う通りにしよう。
「い、いや、やっぱり、あるほうがいいよな」















「うわぁぁん、バカアアアアァァァッッッ!!!」













パシィィィィンッッ!!という爽快な音と共に俺の頬は深紅にそまった。



















泣き崩れたハルヒを説得する事約三十分。
ソファーに縮こまった状態のままのハルヒを直すのに数分。

「うぅぅ・・・ えっぐぅ・・・」
「だから違うんだって・・・」
「やっぱりキョンは・・・ぅぅぁ・・・大きい方が好きなんでしょ!? えっぐぅ・・
・」

ハルヒはフラっぺの音で俺の声がよくわからなかったらしい。
『ハルヒを剥かせたけどまな板だったな』
と認識したらしい。
これじゃぁ俺は変態じゃねぇか。
しかもハルヒはまだ納得しないようで
「もうみくるちゃんの所に行っちゃいなさいよバカキョン!!!」
とりあえずハルヒの肩に手を添えても、
「触らないでよ!!!」
パシッと弾かれる。

「どうせあたしは小さいわよ! 貧乳ですよー、だ!! うあぁぁぁん・・・」











更に説得する事20分。

「ぅぅ、えっぐぅ・・・」
水分をどれだけ消費しているのだろうか。
もう一時間近く泣いてるぞ。
「本当にスマン。 そうじゃないんだ。」
「お目が高いですね!バカキョンは! ぁぁぁぁぁぁん!!」
既に触ることすら許されなくなってしまった。
「なあハルヒ」
「喋るなバカキョン!! もうあんたなんて嫌いよ! 最低!」
「聞いてくれ」
「聞かない! あぁぁぁぁん・・・!!」
顔を伏せて再び泣き始めた。
どうにもならないぞこりゃ・・・
「ハルヒは胸は大きい方だ。 さすがに巨乳とまではいかないが、普通にいいと思うぞ」
ただの変態の発言になってしまった。
何を言ってるんだ俺は・・・
「同情なんてしてほしくないわよ!! 小さいものは小さいのよ!」
どんなものにも方法は別として変化はあるものだ。
大きさ、形、色、匂い、味。
この世の全ては必ず変化はする。
「お前が小さいと思うなら大きくする努力をすればいいじゃないか」
俺は何故か真面目な顔で応えてやった。
「どうやってするのよ!?」
「それは・・・」
方法は別として、なんて言えなかった。
俺から言い出した事なんだから責任を取らなきゃいけないんだよな・・・
「も、揉むとか・・・」
口から予想以上にかなりの小声で呟いた発言には若干、危険な行為にはしることになって
しまう。
「何!?何か言った!?」

ハルヒにはなんとか聞こえなかったようだが・・・


どうする、俺。
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